描きたい絵が描けるようになる本 明暗・構図・配色の知識を実力に変える方法 by しまざきジョゼ

画集

基本情報

著者:しまざきジョゼ
出版:翔泳社
発売:2024/03/11
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レベル:中級者向け
傾向:感覚・・・〇・理屈

<この本でわかること>
✓色の基礎知識、配色の考え方
✓絵の要素を切り分ける方法
✓写真からイメージを起こす

色彩についてプロのイラストレーターが解説

イラストレーターしまざきジョゼさんが解説する作画教本です。本人が得意とする豊かな色彩のつくりかたをはじめ、明暗についての考え方など、具体的な作例を用いて多くのノウハウが収録されています。しまざきさんファンはもちろん、一見感覚的に見えるエモーショナルなイラストがどのようなロジックで制作されているかを深く知ることができます。

ご本人は「センスを磨くとは、”引き出しを増やす”こと」と語っているように、生まれ持った感覚以外でも様々な切り口で作品にアプローチする切り口を提案してくれています。これは学習によって、ユニークなイメージや卓越した画力を生み出せるということです。

引用:描きたい絵が描けるようになる本 明暗・構図・配色の知識を実力に変える方法(Amazon)

本書は完全な初心者というよりも、ある程度イラストを描いてきた人が、さらに色や構図のレベルを上げるために参考にするものになります。

特にライティングや色彩などの素晴らしい感覚をどのように身についているのか、どうやって考えているかのイメージを、分かりやすく言葉や図で説明してくれてます。一つのビジュアルに対して分解的に要素を解説してくれているのがありがたいですね。

しまざきジョゼさんは淡い色使いながら、絶妙なトーンで画面を設計することが得意なクリエイターです。ライティング表現が特に巧みで、オリジナル作品はもちろん、IPものでも見事にキャラクターを自身の世界観を合わせていきます。

プロセスにはそれぞれ目的がある

この本は、しまざきジョゼさん自身が初心者だった頃に「知っておきたかった内容」を重点的にまとめているため、絵を描くことに関して必要な要素が網羅されています。

引用:描きたい絵が描けるようになる本 明暗・構図・配色の知識を実力に変える方法(Amazon)

本書の大きな特徴は、絵を描くプロセスを段階ごとに非常に分かりやすく解説している点です。たとえば、絵の構図を単純化し、色を落としてモノクロで表現したり、個々の要素を分解して解説することで、読者が理解しやすい形で知識を吸収できるよう工夫されています。特に、「構図の中のコントラスト」については、同じ絵を異なるサイズや視点でレタッチし、それがどう見えるかを示すことで、視覚的に学ぶことができるのが特徴です。

しまざきさんの作品は「センス良ッッ!!!」という感じなので、どうやったらこんなの思いつくんだよ……となってしまうこともあるかと思いますが、本書を読むと、実にロジカルに考え、描き進めていることがわかります。もちろんしまざきさんの才能や性格に寄るところも大きいですが、こういった方法は多くの創作者の助けとなることは間違いありません。

また、本書は単に技術的なスキルを教えるだけでなく、絵に対する感覚や用語への理解も深めていきます。しまざきさんは、構図やレイアウト、色彩に関する詳細な解説を行い、特に日本的な感性が強く表れています。ピクサーの作品に代表されるような北米的な表現が立体感やライティングに重きを置くのに対し、しまざきさんはライティングの整合性よりも、絵の美しさや情景としての完成度を優先している点がユニークです。

写真のイメージも活用する

引用:描きたい絵が描けるようになる本 明暗・構図・配色の知識を実力に変える方法(Amazon)

本書が中級者向けであるという点は、絵を描くツールに関する解説を省いているところにもあります。用語についても基本となる説明は最低限に留めてます(絵をある程度描いている人であれば常識的な範囲です)。そもそもAdobe PhotoshopやCLIP STUDIO PAINTの使い方を学ぶ本ではありません。つまり、本書の内容はアナログ作画にも応用が可能です。

そのため、デジタルツールに精通していない読者や、絵を描く基本的な技術を学びたい初心者にとっては、本書の内容はやや難易度が高いかもしれません。

また、しまざきさんが自ら撮影した写真も本書にはいくつか掲載されており、これらの写真を通じて、構図や色彩の勉強も行うことができます。絵を描くためのインスピレーションとして、写真を活用することが推奨されており、この点も本書の特徴的な部分となっています。

分解的に絵作りを学ぶ

引用:描きたい絵が描けるようになる本 明暗・構図・配色の知識を実力に変える方法(Amazon)

イラストに関する書籍は数多く出版されており、その多くはキャラクターイラストに焦点を当てたものです。しかし、本書はキャラクターイラストに偏らず、構図やレイアウト、色彩など、絵の基礎をしっかりと学ぶための内容が充実しています。

しまざきさんの作品は淡々としながら、どこかエモーショナルな描写が特徴的です。構造的な美しさもあり、どこか静謐な雰囲気も持っていると感じます。このスタイルは、特にアナログな技法を学びたい読者にとっても参考にできる、魅力的なポイントです。

しまざきジョゼさんのファンはマストバイ

『描きたい絵がかけるようになる本』は、しまざきジョゼさんの豊富な経験と知識が詰まった一冊です。彼のような感性を深く知りたい、制作のテクニカルな部分を吸収したいという方は必読です。本書は技術的な指南書としてだけでなく、絵に対する考え方や感性を磨くためのガイドとしても価値があります。

絵に対する興味がある方や、しまざきさんの作品が好きな方にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。この本を通じて、絵を描くことの楽しさや奥深さを改めて実感することでしょう。